続き。
芸協らくごまつりでは、落語会に入るお客様に靴入れのビニール袋を渡すという、大事な役職に抜擢される。
誰も私が落語家だと気づかないので、ビニール袋にサインをして、無理やり渡す。
もちろん終演後のゴミ箱には、僕のサイン入りビニール袋が散乱していた。
その暗い気持ちのまま、「昇太春風亭のすべらない(かもしれない)話」に参加する。
サイコロを振って出た目の人がしゃべる、というアレです。
総勢15名の芸人が集まり、昇太師匠がサイコロを振る。
暗い気持ちのまま一番手は「来るな!」という思いと、何となく僕に「来るな」という気持ちが綺麗に重なり合い、見事一番手となる。
出来は来てくれたお客様に託すとして、初めて昇太師匠と舞台で絡むことができ、勝手に満足する。
翌日は歌春師匠に呼んで頂き、宮崎での落語会。
飛行機で、師匠桃太郎と昇太師匠に挟まれて座る。
緊張して眠れないかと思ったが、寝てしまう。
着いてトイレへ行くと、再び師匠桃太郎と昇太師匠に挟まれる。
緊張して出ないかと思ったが、出てしまう。
昨日は「成金」という落語会。
前回、開口一番で人情噺『文七元結』を四十五分やってしまい、賛否両論(笑福亭羽光調べ)があった為、今回はトリでしっかりと新作『面会』をやる。
終わってから三遊亭小笑に「また賛否両論ですね、ヒッヒッヒッ」と笑われたので、背中を力強く叩いてあげた。
皆さん、今回私が高座で話したことは内緒にしといて下さいね。