山登りをする人は、だいたいがキジうちといえば分かる言葉だ。
つまり山の茂みにもぐって大便をふる意味だ。
日本式トイレだとだいたいが足を折ってしゃがみ込む、これが鉄砲を
持たせるとまるで鳥のキジを狙っているように見える。
山登りだけでなくヒラバの田舎でも私は、我慢できないとトイレが見つからないと外でのキジうちをやる。
尻の穴から、もはやもれそうになり早く早く茂みや誰もいないところを血走った目であちらこちらと探す。
しかし、そういうときにこそ人がいたり、遠目での他から丸見えということもありうる。
ああ、あったと茂みに入ってキジうちで用を足してホッとした途端、お尻を拭く紙が無いことに気づいた。
汚いから拭かないわけにいかないから、そこら辺りの草花をつまんで、なんとかきれいになった感じがした。
しかし、中にノバラのとげがあるような草木が、混じっていたようだ。
拭いた後、チクチクとお尻の周りが痛む。
妻に見てくれるように赤ん坊が仰向けに寝てさかんにバタバタするしぐさそっくりに私も仰向けに寝て、妻の方にお尻を出して、妻の顔の前に出す。
妻は「汚いし、臭い」と言いつつ見ようとしない。
つくづくお尻の辺りは、敏感であることが良く分かった。
ここしばらく痛さを我慢しなければと思った。
痔になったような感じだ。