最後に質問は何かないかと聞くと、
「どうやって生活してるんですか?」ときた。
ふと現実に戻りうなだれていると、前座の鯉和くんが来て、
「落語家になる前のサラリーマン時代の貯金で生活している」
と、より現実感を出してきた。
中学生は、それだけをメモっていた。
ついでに、高座も見ていくというので、僕が出るときに、「待ってました、A太郎!」とかけ声をかけてとお願いする。
いざ出番がきて、3人の方を見ると、何やらモジモジしている。
そのモジモジが、他のお客さんにも移り、ついには会場全体がモジモジしはじめた。
何だか、僕までモジモジしてしまい、ふと中学生の頃のモジモジを思い出し、自分が中学生だったら、絶対にかけ声なんてかけないなと思い、3人に『モジモジさせてすまない』と、落ち間際に心でつぶやき、ついでに頭を下げた。
帰りに何と手紙をもらう。
『意外と面白かったです。また十年後見に来ます。』
ありがとう。
明日は、出番入れ替わりまして、16時半頃出ます。
十年前に、意外と面白かったと思った方、見に来て下さい。