A太郎ツイッターです。
水の雷太とのファーストコンタクトに失敗した僕は、今度はこちらのテリトリーで勝負だと考え、千葉にあるが東京の某遊園地で待ち合わせる。
時間ギリギリに到着すると、入り口でこちらに向かって手を振っている巨人が。
「早く早く!こっちこっち!」
その男の頭には耳がついている。
ミッキー?いやミニーだ、いやいやあの春雨やだ!
ティガー柄の浴衣を着た彼は手に地図を持って「もうルートは決まってるよ」と先を歩く。
必死に着いて行く。
海賊やら山やら川やら宇宙やら森やら象やら熊やらを矢継ぎ早に。
疲れてベンチで休んでいる僕に彼は肉の塊を買ってきてくれる。
いつの間にかネズミの手になっている彼は「半分づつしよう」と言ってチュロスをほお張る。
ここしかないと思い、例の件を切り出そうとする僕を見越したように彼は「夢の国で仕事の話は野暮ってもんさ」と。
パレードの時間を気にしてる彼に何を言ったって無駄さ。
諦めた僕は、かばんに入れていたあひるのくちばしをそっとつける。
閉園まであと五時間。
長い一日になりそうだ。