東中野あたりで昼頃からの落語会ありがとうございました。
ここ二年で一番つらい仕事。
円卓が六つ並ぶ客席でおじいちゃん・おばあちゃんがお弁当を食べ、何人かは完全に高座を背にしている。
雛祭りの会とのことで、高座は雛壇になっていてお内裏の所へ僕が、お雛様の所へ司会のおばあちゃんが座る。
高座に上がって自己紹介をしても、唐揚げには敵わない。
おばあちゃんたちの世間話も盛り上がりをみせる。
ここは僕も負けてられないと思い『文七元結』をかける。
噺が始まり10分間は完全に一人ぼっち。
お雛様のイビキも聞こえる。
15分後、食事が終わりティータイム。
20分後、孫の写真タイム。
お雛様のイビキが止まり逆に心配。
25分後、高座を背にしていた方々が、ちらちらと振り向く。
30分後、会場が静まり返る。
35分後、全員がこちらを向く。
40分後、笑いが漏れ始める。
45分後、車椅子のおばあちゃんが立ち上がった。
ここで僕は勝ったと思い、噺を途中で止め「続きはいつの日か」と言って颯爽と会場を後にした。
すがすがしいですね。
10分後に着替えを取りに会場へ戻ったのも愛敬でしょう。
ギャラ二千円を握りしめ、東中野一接客の悪い喫茶店へ。