2011年5月12日木曜日

羽織る

昨日は、急遽上野広小路亭にて代演。

あまりに急遽だったため、楽屋に置いてあった鯉八くんの着物を借りる。

普段と違う着物を着ると、新鮮な気持ちだ。
さらに、いつもは袴をはくのだが、この日は、袴をはかずに羽織を着る。

羽織を着るのは、二ツ目昇進の披露目以来初めてだ。

羽織というのは脱ぐタイミングが難しい。
特に決まってはないのだが、普通は、まくらから噺に入るときや、噺の中で、必要な場面が来たら脱ぐ。

しかし、羽織に慣れてない僕は、不安を抱えたまま高座へ。

まくらから噺に入るときに脱げず。
噺の途中でも脱げず。

別に脱がなくてもいいのだが、悔しいので落ちの前に羽織りを脱ぎ、一呼吸おいて落ちを言った。

あの一呼吸で何かをつかんだ気がした。

落ちの前で羽織を脱いではいけないということを。

雨の中、意外に多く来て頂いたお客様、
ありがとうございました。